六人でも上がらぬほど育った観音の石
どんな伝承か
隠岐島五箇村の福浦に、観音さんと呼ばれる小さな社がある。その神体は石で、祭りはじめた当時は小さなものであったが、今では六人がかりでも持ち上げられないほどになったという。石が神体とされるだけでなく、しだいに成長したと語る伝承は各地にかなり広く分布している。ただし信仰の対象となりえた石は、その形や色、大きさに何らかの特色があるか、特別の伝承がまといついている場合に限られるという。
原典より
隠岐島五箇村福浦の観音さんという小さな社の神体は石で、祭った当時は小さかったが、今では六人がかりでも上げられないそうである。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。