蒸籠を三日で開けた老夫婦と娘小松
どんな伝承か
高知県高岡郡仁淀村(現・仁淀川町)刑部の広瀬に、五算太という老夫婦が住んでいた。ある夜、高知の秤屋の娘・小松が一夜の宿を求め、蒸籠を借りて寝た。小松は「一週間は蓋を開けないように」と言い残して去ったが、老夫婦は待ちきれずに三日目に蓋を開けてしまい、そこには蛇の鱗が光っていた。本来なら金持ちになれるはずが、老夫婦はかえって貧しくなってしまったという。小松はその後、大野ヶ原の池に入って主となったが、母が訪ねた折には一旦もとの姿で現れたといい、その池は今も小松ヶ池と呼ばれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。