大窪寺の猫と雷の葬式
どんな伝承か
長尾町多和の大窪寺に一匹の猫がいた。猫は住職に、富田の筒野で葬式が出るから雨具を持って行くようにと告げた。早朝に出かけた住職は筒野からの使いに出会う。晴天なので人々は住職の姿を笑ったが、葬式が始まると大粒の雨と雷が襲い、住職の読経で無事に勤めを終えた。ところが棺の蓋を取ると遺体が無い。頼まれて一心に祈ると再び雷が鳴り、仏が戻って葬式は終わった。猫は日ごろの恩返しに檀家を増やそうとしたのだと言ったが、住職は通力のある猫は置けぬと追い払った。猫は坊主岩という所で猫又になり、後に鏡を立てて化粧しているのを土地の人が見たという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。