寄り合いにお櫃を貸すお櫃岩
どんな伝承か
越智郡玉川町与和木に伝わる話。昔、この村には「おとうさん」と呼ぶ組の寄り合いがあり、皆で集まって飲み食いをした。その席にはお櫃が必要で、村人はどこかから借りねばならなかった。そこで与和木にあるお櫃岩へ出向き、明日の大事な寄り合いのためにお櫃を何個か貸してほしい、翌朝取りに来るからと神様に頼んだ。翌朝行ってみると、お櫃が何個も置かれていた。村人が正直だったので、毎年前日に頼めば必ず翌朝には用意されていたという。ところがある年、借りたお櫃を一つ失くしてしまった。組の使いが何度も詫びたが、翌年からは貸してもらえなくなった。今も与和木に残るお櫃岩はそのときの岩だと伝わる。
原典より
<高木―「家具の岩屋」柳田―「椀貸岩」>昔、おとうさんという組の寄り合いがありました。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。