奈良王様が残した七不思議
どんな伝承か
山梨県南巨摩郡早川町奈良田の伝え。奈良王様が遷居の折に、ここも奈良だと言われたことから奈良田の名が生まれたという。八年のあいだに数々の善政を敷いて村人を救われ、その跡が七不思議として語られる。掘られた用水池の後符水は旱でも大雨でも水量が変わらず、飲めば諸病に効く。八幡へ祈って塩水の湧く池と温かい洗濯用の泉を得、衣を染めた染池も残る。里人を苦しめた鳥は二羽に封じられ、都へ帰る折には葦までが北を向いて片葉となった。住まいの王平から早川の河原までの七段は、奈良の都の七条にならったものだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。