落ち矢を拾った三人の法師と三観音
どんな伝承か
韮崎市中田町の当山には、十一面観世音・正観世音・馬頭観世音の三体がまつられており、天平五年三月に行基が刻んだものと伝えられる。後白河天皇の御代、源平の争乱のさなかに源頼朝がこの山へ参詣し、戦いの勝利を祈願した。すると陣中に三人の法師が現れ、落ちた矢を拾い集めて軍兵へ配ったため、頼朝方は勝ちを収めることができた。この三人の法師こそ、三体の観世音が姿を変えたものであったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。