支柱を持たぬ桂川の奇橋
どんな伝承か
大月市猿橋町猿橋の猿橋は、桂川の断崖に架かる。橋の長さは十七間、幅は三間、橋から水面までは十七間弱で三十三尋と称され、支柱を一本も用いない造りである。古くから木曽の懸橋、周防の錦帯橋と並んで日本三奇橋の一つに数えられてきた。いまから一千余年前、百済国の志羅呼僧円という者が最初にこの橋を架けたとされ、猿が藤蔓を伝って対岸へ渡るのを見てそれにならったのだという。橋のたもとには山王宮の小祠があって猿を祀り、毎年七月に例祭が営まれる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。