御坂峠の道に湧く役の行者堂の強清水
どんな伝承か
御坂町の藤野木から御坂峠の頂までは六キロほどの道のりで、その途中に役の行者を祀る堂がある。堂のかたわらには水が湧き出しており、土地ではこれを強清水と呼んでいる。峠を越える者の喉をうるおしてきた泉である。同じような清らかな泉は中道往還の右左口峠の中腹にもあり、そちらは水が諸白の酒に変わったという伝説で知られる。二つの泉は名も由来も響きあうものとして語り伝えられてきた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。