漂着の姫を殺して起きた眼病
どんな伝承か
箱船が漂着し、七人の漁師が引き上げて中をあらためると、内側は漆塗りで、長持ちや櫃が光り輝いていた。七つ八つの童女と侍女が二人乗っており、童女は伊予の姫で戦を逃れてきたと訴えたが、漁師たちは哀願する三人を叩き殺してしまった。やがて漁師の一人の目がただれて盲となり、眼病は村中に広がる。三人の祟りとされ、女たちと箱船を焼いた場所に石を建て小松を植えて拝んだのが姫松さまである。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。