立岩海岸に流れ着いた佐代姫の塚
どんな伝承か
佐代姫の古塚は千三百年余りを経て形も変わり、いまは草深い叢のなかに自然石が一つ立つばかりである。佐代姫は大伴狭手彦のあとを慕って小舟で軍船を追ったが、風波にのまれて海の藻屑となり、潮に運ばれて旧西山代、いまの山代町の立岩海岸へ流れ着いた。当時の人がそこへ葬ったのがこの塚だという。塚から五十メートルほど離れた所には、姫の霊を祭る佐代姫神社が建つ。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。