十年ごとに血の色になる八島の池
どんな伝承か
為朝は天皇から大蛇退治の勅命を受けて八島に下り、池を掘って大蛇の現れるのを待ったが、幾年たっても姿を見せなかった。黒髪山へ探しに行った為朝は、岩に鱗の跡がついているのを見つけて蛇のいることを確かめる。村木の万寿姫のもとには毎夜大蛇が影を差しており、姫は苦しんだすえ人身御供となる決心をした。白川の池に現れた大蛇を、為朝はついに射殺したという。その後、八島の池は十年ごとに水が血の色になると伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。