塩上石に祈った大渡長者
どんな伝承か
平戸の瑞雲寺の東、神応寺の跡に二基の五輪塔があり、大渡長者夫妻の墓と伝えられる。長者はこの地に住んで地頭となり、平戸全島に威勢をふるったが、世継ぎの男子がなく、娘を松浦家に納め、領地をすべて献じて退隠した。のちに禅門に入り、瑞雲寺の開基となったという。もとはわずかな塩商人にすぎず、中野村の途上で塩を石の上に置き、安満岳に向かって九十九島の数ほどの大船を持つ身になりたいと祈ったのが始まりで、その石を塩上石と呼ぶ。
原典より
瑞雲寺の東方神応寺跡に二基の五輪塔あり大渡長者夫妻の墓と称す、往昔大渡長者此地に住み、地頭として威勢隆々平戸全島を圧す。—— 日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。