瑞雲寺東の長者夫妻の五輪塔
どんな伝承か
昔、平戸地方に大渡長者という地頭がいた。瑞雲寺の東側にある神応寺址の二基の五輪塔は長者夫妻の墓だといわれる。長者はもと軽い商人で、平戸から川内浦へ塩を売り歩き、川内峠で休むたびに道ばたの石に塩を供えて安満岳の白山権現を拝み、九十九島の数ほどの大船を持つ身分にしてほしいと祈った。ついに願いどおりの大航海業者となり、平戸一円を領した。世継ぎの男子がなく、娘を松浦家十六世に納めて所領を献じ、安楽に生涯を終えたという。十七世安正が邸址に神応寺を建てて菩提を弔ったと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。