塩商人が長者になった塩上石
どんな伝承か
今から八百年ほど前、平戸に一人の塩売商人がいた。毎日川内へ塩を売りに出て川内峠を越えたが、峠からは平戸島でいちばん高い安満岳が見える。頂上には大澄大師が加賀の白山から勧請した白山権現が祀られていた。商人は峠から権現を伏し拝み、一つまみの塩を道ばたの石に供えて、九十九島の島の数ほど船を持てる身の上にしてほしいと祈願した。里の人はその石を塩上石と呼ぶようになった。商人はよく働いて財を成し、ついに地頭となって大渡の長者と崇められ、のちに松浦興栄へ娘と身代を献じ、自身は神応寺を建てて隠居したと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第13巻』所収の「文化叙事伝説」全35話(福岡・大分・佐賀・長崎=北九州)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。