都万神社と清水寺の片目の魚
どんな伝承か
『都万神社伝説』によれば、都万神社の御池に、木花開耶姫が落とした玉の紐が一匹の鮒の目を突き刺し、それ以来ここには片目の鮒がいるという。玉紐落を「ふな」と読み、鮒を神様の一党というのもこの時からだと伝える。また『妻高郷土史部報』二十九号によれば、清水寺の池に片目の鰻が住んでいる。伊東三位入道が激しい戦で逃げ落ちのびる時、尼様が身代わりとして池の中に飛びこみ、その時、敵の矢が目に当たった。それ以来、そこの鰻は片目であるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。