豌豆を作らぬ釈迦院の里
どんな伝承か
肥後国八代郡の名高い釈迦院嶽にある釈迦院を、小西行長が焼き払ったとき、火付けに豌豆の殻を用いたと伝えられる。そのためこの里ではいまも豌豆を作らない。作ってみても虫に食われて実が入らないという。また二月十五日と四月八日には遠近から善男善女が釈迦院へ参詣するが、不思議とその日に雨の降らなかったためしがない。小西方に従った者の子孫であるから雨に打たれるのだ、と土地では語られている。
原典より
<高木――「釈迦院」>肥後国八代郡で名高い釈迦院嶽の釈迦院を、小西行長が焼いた時には、豌豆の殻を使ったとか云ふことで、今でも此里では豌豆を作らぬ。—— 日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。