配所を脱けた俊寛の菩提碑
どんな伝承か
下名には俊寛僧都の菩提碑と呼ばれる石が残る。喜界島へ流された俊寛は、家の子である有王丸にひそかに助け出され、配所を抜けて海路で都をめざしたという。ところが旅の途中で病を得て、荘の津で船を降り、山内寺に身を寄せたまま世を去った。碑は碑句が咎められて建立を許されず、実際に建てられたのは延宝五年のことだと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。