本家だけが祭るウッガンの霜月祭
どんな伝承か
鹿児島県出水郡大川内村(現・出水市)の麓の旧士族は、屋敷神として氏神ウッガンを祀り、多くは先祖として伝えた。氏神はイエモト(本家)にのみ祭られワカサヤ(分家)にはない。十一月の霜月祭には一族が本家屋敷の氏神祠前に集まり、本家が司祭を務めた。祠殿の神体には丸石を置く例が多いが、神木を祭ることも少なくないという。
原典より
霜月祭りといって、一一月に一族が本家屋敷の氏神祠前に集まり、本家の司祭で祭る。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。