十二の卵を産んだ娘と方位の神
どんな伝承か
城辺町比嘉に伝わる話。早くに両親を失った貧しい娘が、十七になるとたいそうな美人に育った。冬の寒い日、薪を取りに山へ入った娘は、日ざしの暖かさに誘われて木のうろで居眠りをした。それだけで娘は身ごもり、やがて十二個の卵を産み落とす。卵からは女六人・男六人、あわせて十二人の子が孵った。天の神の言いつけにより、子らはそれぞれ十二の方位を守る神として祀られ、母である娘もまた天へ昇っていったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。