銘苅原の井川で羽衣を隠された天女
どんな伝承か
『琉球国由来記』巻十二が伝える銘苅子の由来。安謝村のうち銘苅という小邑に銘苅翁子の旧跡があり、家屋と画像が代々祀られてきた。銘苅原の井川で手足を洗った銘苅子が長い髪を見つけ、以来この井を見回るうち水浴びする女に出会った。衣が常人のものと違うので天女と疑い、ひそかに衣を取って稲束の中へ隠す。飛衣を失って泣く天女に、探してやると偽って草庵へ連れ帰り、ついに夫婦となって三人の子をもうけた。長女が弟をあやす子守歌で飛衣のありかが知れ、天女は留守を伺って着て天へ昇る。息子二人は早世し、長女は尚真王の夫人となって佐司笠按司加那志を生んだ。銘苅子は浮織の冠と請地を賜ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。