皿洗いの池が残る松林の南僧坊
どんな伝承か
富久山町久保田の磐越西線を前にし、国道四号線の西側に、小高い松林の丘がある。郡山市街地を一望する景勝地で、土地の人々はこの地を俗に南僧坊と呼ぶ。昔ここに僧坊があったと伝えられ、松林の北側にあった池は皿洗いの池と呼ばれ、僧坊の僧が食器を洗ったといい伝えられている。池は今では埋め立てられて窪地になっている。この僧は僧兵ではないかともいわれる。久保田には正覚寺という地名が残り、慶正寺という寺があったと記録にあるが、南僧坊との関係は不明である。中世期の供養板碑が多く残ることから、仏教文化が栄えていたことは確かだという。なお、この南僧坊に対して日和田町には北僧坊がある。
原典より
富久山町久保田地内の磐越西線を前にし、国道四号線の西側に、小高い松林の丘がある。—— 郡山の伝説(ふるさとの文化財調査事業・昭和六十一年(1986)刊/監修 大島建彦) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
郡山の伝説(ふるさとの文化財調査事業・昭和六十一年(1986)刊/監修 大島建彦)
福島県郡山市(旧安積郡・田村郡域、湖南・熱海・三穂田・逢瀬・西田・中田ほか各町)に伝わる伝説を、木/石・岩/水/塚/坂・峠・山/祠堂/家・村/祭礼・行事の八部門に分類して集成する。坂上田村麻呂や阿古陀媛・采女伝説・萩姫、源義家ら前九年の役の人物伝承、淵や池の主・龍神・河童、弘法大師の清水、稲荷・観音・地蔵の霊験、長者伝説や埋蔵金、隠れキリシタンなど、郡山の地に根ざした怪異・霊験・由来譚を伝承地つきで網羅する。