夜ごとひとりでに回る六地蔵
どんな伝承か
韮崎市藤井町南下条の部落北部、田の畔に石の六地蔵がある。高さ四尺ばかりの石柱の上に、六角の石の一面ごとに地蔵を彫りつけた火袋を乗せ、その上に蓋石をしたもので、総高は六尺ある。この地蔵が夜ごとに回転するので「まわり地蔵」と呼ばれた。回るところは人目にはよく見えないが、墨で東に印をしておくと、翌朝には印が西へ回っている。とても重くて人の力で回すことはできないが、灯籠が自転すると見えて、回る部分の石は磨れてたいそう滑らかになっている。一説には弘法大師が当国へ来訪のみぎりに刻んだものだともいう。
原典より
部落の北部、田の畔にある石の六地蔵で、高さ四尺ばかりの石柱の上に、六角の石の一面ごとに、一地蔵を彫りつけた火袋(くろ)を乗せ、その上に蓋石をしたもので、総高さ六尺、この地蔵が夜毎に回転するので、「まわり地蔵」と呼ばれた。—— 韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年))
『韮崎市の民話伝説』は、韮崎市教育委員会が昭和四十二年に発行した民話・伝説集である。韮崎・円野・中田・穴山・藤井・神山・穂坂・清哲・旭・大草・竜岡の十一町で民俗資料調査員が集めた百六十八話を収め、武田信玄・勝頼や鎮西八郎為朝、弘法大師の話、山の神のたたりや化かされた話などに話者名や『裏見寒話』などの出典を添える。巻頭に昔話と伝説の解説を置き、本文を木・石・水・塚・坂峠・山・谷沢・屋敷跡城址・祠堂・その他の十部に分ける。