黄金の太刀が蛇に化けた話
どんな伝承か
『奥相茶話』に、将門より相馬家代々に伝わる秘宝として、ちけんまるかしと蛇太刀の由来が問答の形で語られる。蛇太刀は、往古、先主が春風に袂を翻して山花の褥に酔い臥したとき、花樹に掛けた太刀を忘れて帰り、酔いが醒めて驚き立ち出でて花林の下に至ると、行人が徘徊して去らない。先主が問うと、自分は旅の者だが、花樹を見れば黄金を彫った太刀があり、取ろうとすると忽ち化して蛇となる、奇怪な物であると答えた。先主が見ると蛇は縮んで太刀となったので、これを取って帰った。これより蛇太刀と申すのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・(平将門伝説の研究書))
梶原正昭・矢代和夫『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』を、論考の節単位で全67事例として収録した研究書(地域伝説集ではない)。平安中期の平将門(承平天慶の乱)をめぐる伝説を、英雄の死と伝説の誕生(冥界・調伏・怨霊・首の怪異・七人の影武者・妙見信仰・石化)、落人たちの運命(将軍太郎良門・如蔵尼の堕地獄と救済・滝夜叉姫・桔梗塚の寵妃・後裔と将門遺跡)、将門伝説の展開(馬の文化・関東一円の分布圏・文芸化・首塚の祟りと再評価)として論じる。