茶を断って祈る茶の木稲荷
どんな伝承か
新宿区市谷八幡町の稲荷は、茶の木稲荷の名で知られる。この社の白狐が茶の木の枝で目を突いたという言い伝えがあり、そのため氏子たちは正月の三日のあいだ茶を口にしなかった。眼を患う者は一七日あるいは三七日と、あらかじめ日数を区切って茶を断ち、願をかけると験があらたかだったという。『江戸砂子』『江戸名所図会』などが伝える。
原典より
新宿区市谷八幡町の稲荷は、茶の木稲荷として知られている。—— 武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
武蔵の伝説(大島建彦/渡辺千佳子・日本の伝説・1976年(昭和51年))
『武蔵の伝説』は、大島建彦と渡辺千佳子が昭和五十一年に著した伝説集である。埼玉県・東京都と神奈川県の一部にあたる旧武蔵国の伝説を、地誌・紀行・社寺縁起・区市史や『埼玉県伝説集成』などの文献と土地の口碑から集め、項目ごとに出典を添える。『日本伝説名彙』の六部門に家・村と祭礼・行事を加えた八部に分け、巻頭の「はじめに」で伝説の分類の方法を論じている。