岩井堂の仏国禅師座禅石
どんな伝承か
秩父市下影森の岩井堂では、頂上の愛宕大権現社から少し下った北側に、仏国禅師の座禅石と呼ばれる石がある。数十丈もある尖った石で、その頂の四、五尺四方の平らな場所が禅師の座禅した所だと十方庵の『遊歴雑記』は記す。松平冠山の『秩父郡三十四所観音霊場記』にも、禅師が座禅した石で大きさ六、七尺四方とあり、『新編武蔵風土記稿』も、禅師がこの地の静けさを愛して禅定に入ると本尊がしばしば姿を現したと伝え、今も境内に座禅石が残ると記している。
原典より
岩上は約三畳敷位(約六平方メートル)の広さ。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。