石になったおさよの乳が染める白水池
どんな伝承か
本庄市児玉の八幡山、雉岡城の本丸の下にある白水池は、水がいつも乳白色をしている。伝えによれば、城主横地左近忠春の館におさよという腰元がいて、忠春の寵を受けて子を宿した。奥方の怒りを買ったおさよは城内の池、一説には井戸に沈められて死んだが、落ちた拍子に赤子を産み落とし、母子ともに石になったという。池の水が白いのは、乳を欲しがる我が子のためにおさよが乳を出しているからだと語られる。この水は乳の腫れ物の名薬とされ、風呂の水に使われたこともあるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。