御師岩の穴に棲む長寿の白蛇
どんな伝承か
埼玉県日高市平沢の富士山にまつわる伝説。頂上近くの御師岩の割れ目は高麗川沿いの金剛寺淵まで続いているといい、その中に白蛇が棲み、六月十五日のお山開きの早朝にその姿を見た者はどんな願いも叶い百歳まで長生きすると伝わる。久保ヶ谷戸の関口芳次さん(八十五歳)は、約三十センチほどの小蛇を実際に見たといい、自分も百歳まで生きるだろうと語ったという。
原典より
またこの岩の割れ目の穴が、高麗川沿いの金剛寺淵まで続いていて、この中には白蛇が棲み、六月十五日のお山開きの早朝、その姿を見たものはどんな願いもかなえられ、また百歳までも長生きするといい伝えられている。—— 秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行(神山弘・1984年(昭和59年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行(神山弘・1984年(昭和59年))
『秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行』は、神山弘が一九八四年に著した伝説探訪の紀行である。越辺川の流域や高麗郷、富士山のある村々、竹寺、武甲山と三峰山、宝登山、釜伏峠と粥新田峠など埼玉県西部の山村を歩き、土地の古老からの聞き書きと『新編武蔵風土記稿』などの記録を交えて、竜や大蛇、天狗、幽霊、将門などの伝説を語る。土地ごとの章に小見出しを立てた随筆体で、著者の前著『ものがたり奥武蔵』で扱わなかった土地を主にとりあげる。