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下駄の鼻緒をすげてくれた娘

所在地埼玉県飯能市大字南(竹寺)
出典秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行

どんな伝承か

著者は三十数年前、西武電車の宣伝の新聞に『奥武蔵漫歩』という雑文を連載し、その一つ『天王山の夢』に竹寺での思い出を書いた。当時は二十代の若者で、弁当を腰に下駄ばきで山を歩いた。竹寺で別当のおばさんから伝説を聞いた帰り、名栗へ下ろうと八幡坂を行くと、東京から来たらしい洋装の娘三人に豆口峠への道を尋ねられた。教えて別れた直後に下駄の鼻緒が切れると、一人がハンカチを裂いてすげてくれた。赤いセーターのうなじの白さは紅葉の山にも負けず美しかったという。再会はなかったが、著者は今も天王山の裏山で赤いセーターの娘が待っているだろうと結んだ。

原典より

天王山の裏山には、いつも赤いスエーターの女の子が、旅の思い出をかかえて待っているだろうと………………。—— 秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行(神山弘・1984年(昭和59年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行(神山弘・1984年(昭和59年))

『秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行』は、神山弘が一九八四年に著した伝説探訪の紀行である。越辺川の流域や高麗郷、富士山のある村々、竹寺、武甲山と三峰山、宝登山、釜伏峠と粥新田峠など埼玉県西部の山村を歩き、土地の古老からの聞き書きと『新編武蔵風土記稿』などの記録を交えて、竜や大蛇、天狗、幽霊、将門などの伝説を語る。土地ごとの章に小見出しを立てた随筆体で、著者の前著『ものがたり奥武蔵』で扱わなかった土地を主にとりあげる。

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