板屋淵から上がった牛頭天王の鏡
どんな伝承か
八王子市元横山町の八雲神社に祀られる牛頭天王には、次のような由来が語られている。慶長二年六月のはじめ、浅川が大水を出したあと、新町の五兵衛という百姓が板屋淵の底で光るものを見つけた。引き上げてみると丸い鏡のような品で、中央に仏像が刻まれていた。持ち帰って臼の上に仮に置き、麦を炒って供えたところ、近所の少年に神が乗り移り、自分は川口村の鎮守の牛頭天王だと告げた。村人は驚いて八幡社に合わせ祀り、その日にちなんで六月一三日を祭日と定めたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。