胸から額へ橋を登ってきた小さな観音
どんな伝承か
ある日、中岡桂園の胸の右下から額の真ん中まで小さな橋がかかり、「カンノンじゃ、カンノンじゃ」という体が割れるような大声がした。赤い鼻緒の草履に白い着物、黄色の上着をまとった愛らしい小さな観音が橋を登ってきて額の上に立ち、なおも「カンノンじゃ」と告げる。両手をついてお辞儀をすると観音はしだいに大きくなって中岡と同じ背丈になり、「わらわはお経に出るような偉い観音ではないが観音は観音じゃ。今日からお前と一緒におる」と語ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の四次元(鈴江淳也・心霊・四次元・1973年(昭和48年))
『日本の四次元』は、鈴江淳也が昭和四十八年に著した超常現象の取材記である。幽霊の出る家や競馬場、古武士の怨念、守護霊、心霊写真、新幹線の四次元地帯、心霊治療、物品引き寄せ、てのひら療法、比婆山の怪獣やツチノコ、死後も占う易者犬などを、当事者を訪ねて聞いた話として記す。「幽霊と怨念の世界」から「動植物の驚異」まで六部に分け、あとがきで大陸書房刊『日本の奇談』『現代の怪奇』に続く第三弾と述べ、問い合わせ先を挙げる。