小谷田勝五郎の再生
どんな伝承か
文政五年十一月ごろ、武州多摩郡中野村の百姓源蔵の子で八歳の勝五郎が、田のほとりで遊びながら兄の乙次郎と姉のフサに、おまえたちは生まれる前のことを覚えていないのかと尋ねた。自分はもと程久保村の久兵衛の子で藤蔵といった、五つで死んでこの家の母の腹に入ったのだと語る。祖母のツヤには夜ごと前世の家へ連れて行ってくれとせがみ、棺から抜け出して自分の葬列を眺めたことまで細かに話した。この一件は平田篤胤が本人と家族から直に聞き取って書き残している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年))
『霊魂の世界――心霊科学入門』は、板谷樹と宮沢虎雄が昭和四十六年に著した心霊科学の入門書である。古代の霊魂観や内外の幽霊の記録に始まり、ハイズビル事件と英米の心霊研究学会の創立、霊視・霊言などの精神的現象、物質化や心霊写真などの物理的現象、心霊治療、死と再生までを、日本心霊科学協会での実験や勝五郎再生の現地調査を交えて述べる。全十二章からなり、昭和四十二年に徳間書店から出た同題の本に筆を加え、同協会が自費出版したものである。