第十二章 霊魂の力・心霊研究の帰結
どんな伝承か
心霊研究の著作を締めくくるにあたり、著者らは霊魂の力を示す実例として津市の水難事件を取り上げている。昭和三十年七月、三重県津市の海岸で水泳練習中だった市橋北中学の女生徒三十六人が水死した事件をめぐり、遺族三十三人が津市を相手に慰謝料を求めた民事訴訟で、津地裁は昭和四十一年四月十五日、津市に対し利子を含め総額二千四百七十五万円の支払いを命じる判決を下した。事件で助かった梅川弘子さんの手記も引用され、白い無表情な顔をした防空頭巾姿の女たちに足をつかまれた恐怖の体験が語られている。
原典より
この著述を終わるに当たり、著者らは霊魂の力を如実に示す世にも恐ろしい実例を、一、二紹介したいと思う。—— 霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の世界 ― 心霊科学入門(板谷樹・宮沢虎雄・1971年(昭和46年))
『霊魂の世界――心霊科学入門』は、板谷樹と宮沢虎雄が昭和四十六年に著した心霊科学の入門書である。古代の霊魂観や内外の幽霊の記録に始まり、ハイズビル事件と英米の心霊研究学会の創立、霊視・霊言などの精神的現象、物質化や心霊写真などの物理的現象、心霊治療、死と再生までを、日本心霊科学協会での実験や勝五郎再生の現地調査を交えて述べる。全十二章からなり、昭和四十二年に徳間書店から出た同題の本に筆を加え、同協会が自費出版したものである。