きつねの嫁取り
どんな伝承か
九十九里町地域に全町共通で伝わる話。夜に沢山のきつねが列をつくって移動するとき灯が見え、人間の嫁取り行列の提燈によく似ていることから『きつねの嫁取り』と呼んだ。灯は一つでなく、二つ、三つ、四つと増えていく。昔の結婚式は夜までかかり、花嫁の行列の先頭には必ず提燈もちがいて、遠くから見ると提燈の灯だけが動いて見えた。きつねの列の灯がこれと同じに見えたのだという。今から五、六十年前にはこの灯がよく見えたそうである。
原典より
昔の結婚式は夜までかかりました。—— 九十九里町誌 各論編 下巻(九十九里町誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
九十九里町誌 各論編 下巻(九十九里町誌)
『九十九里町誌 各論編 下巻』は、千葉県九十九里町の町誌各論編下巻から、第八章「口頭伝承」の第一節「昔話」を収めたものである。作田・片貝・真亀・藤下・西野・粟生など町内の地区に伝わるきつね・むじな・カッパ・大蛇の話や、屋号の由来、天王様ときゅうりの禁忌、将軍の鷹場にまつわる話を、です・ます調の語りで記す。見出しに地区名を添えて話を並べ、後半には神かくし・いそぎつね・船幽霊など町内に共通する話をまとめる。