一本松の大蛇(小関)
どんな伝承か
太平洋戦争後まで、今の九十九里小学校の東南東にあたる作田川の右岸に大きな松があり、人々は一本松と呼んで親しんだ。形がよく、沖合三キロほどからも見えて漁師の帰る目印になったという。この松の下には大蛇が住むと言い伝えられ、動くと臼を転がしたように幅六十センチほど草がなぎ倒されたという。ある夏、松の下で釣りをしていた人がつい居眠りをし、はっと気づくと自分が腰かけていたのは大蛇の背中だった。驚いて逃げ帰った男は腰が抜けて寝つき、長く全身衰弱がつづいて死んだと伝わる。
原典より
太平洋戦争後まで、今の九十九里小学校の東南東に当たる作田川の右岸に一本の大きな松がありました。—— 九十九里町誌 各論編 下巻(九十九里町誌) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
九十九里町誌 各論編 下巻(九十九里町誌)
『九十九里町誌 各論編 下巻』は、千葉県九十九里町の町誌各論編下巻から、第八章「口頭伝承」の第一節「昔話」を収めたものである。作田・片貝・真亀・藤下・西野・粟生など町内の地区に伝わるきつね・むじな・カッパ・大蛇の話や、屋号の由来、天王様ときゅうりの禁忌、将軍の鷹場にまつわる話を、です・ます調の語りで記す。見出しに地区名を添えて話を並べ、後半には神かくし・いそぎつね・船幽霊など町内に共通する話をまとめる。