水害に埋もれた田野浦の聖山天神
どんな伝承か
門司区の田野浦には、菅原道真が大宰府へ向かう途中この地に寄港したという言い伝えがあり、古くから天神信仰が行われていた。人々は使い古した筆や習字の紙などを、仲之町(田野浦二丁目)にある聖山天神のお室に納め、手習いが上手になるようにと祈ったという。昭和二十八年の水害で社も池も埋没してしまい、現在は石の鳥居だけが残されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
北九州市史 民俗(北九州市・北九州市史)
『北九州市史 民俗』は、北九州市が編んだ市史の民俗編である。ここに収めるのはその第三編「信仰伝承」第一章「信仰」の第二節以降で、門司・小倉・若松・八幡・戸畑の各区に伝わる聖地と忌地、神仏信仰、神事と法会、巡礼、巫者・祈禱師、信仰集団、狐憑きや犬神などの憑霊・霊異現象を記す。節ごとに地区と地名を挙げて事例を並べる編み方で、祟る石や産女石、落人の墓なども忌地の項に見える。