堂平に伝わる漆千杯朱千杯の童歌
どんな伝承か
入間郡名栗村上名栗字堂平(現・飯能市)は、昔、仏堂のあった所といわれている。ここに古い童謡が伝えられており、「朝日さす雀のみをとり合歓の木の下にある 漆千杯朱千杯竹縄千房」という。『新記』巻二四八に載る。柳田国男はこの歌について、三十一字を超えていて文句もやや異様であり、黄金のことも長者の話も見えない、雀のみをとりとは何のことか、鎮の宮や地鎮塚を雀宮・雀塚と呼ぶ所が多いので、あるいは鎮の御堂の転訛かもしれないと述べている。
原典より
堂平は昔、仏堂のあった所といわれている。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。