子を喰って首を切られた阿弥陀如来
どんな伝承か
川島町表の広徳寺では、大御堂に安置された阿弥陀如来を「児喰の弥陀」と呼ぶ。昔、子守をしていた老婆が、泣きやまない子を阿弥陀様に食わせるぞと脅した。目を離した隙に子どもの姿が見えなくなり、もしやと阿弥陀如来のもとへ行くと、如来の口から子どもの髪の毛が垂れ下がっていて、驚いて見上げる老婆に如来がにやりと笑ったという。住職は仏にあるまじき所業だと大いに怒り、とうとう如来の首を切ってしまった。今ある像の首は、その後に付け替えたものだという。広徳寺の大御堂は国の指定建造物である。
原典より
現存している如来の尊像の首は、その後につけたものであるという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。