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谷へ突き落とされた慈光寺の児喰仁王

所在地埼玉県比企郡ときがわ町大字西平(慈光寺)
年代伝承
登場子供
出典埼玉県伝説集成——分類と解説 中

どんな伝承か

旧都幾川村西平の慈光寺の釈迦堂に児喰仁王がある。仁王門が焼けたとき、自ら門を出てのっしのっしとこの堂へ逃れて来たという。この仁王は嘘が大嫌いで、誰が嘘つきかもよく知っていた。近くの農家の母親は、泣くと仁王さまに食わせると子をいつも脅していた。ある夕方も泣きやまない子を放って台所仕事をしていると、いつしか泣き声が消え、子の姿が見えない。慈光寺坂を駆け上がって門前の仁王を見上げると、口元から見覚えのある子の付紐が垂れていた。怒った母親が仁王を谷底へ突き落とすと、仁王は「オホホ」と笑いながら転げ落ち、そこをホホ沢、放屁した所をビリ沢と呼ぶようになったという。

原典より

それは、仁王尊の口元から覚えのある子どもの付紐が下っていたからだ。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)

『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。

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