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丙の娘ら二十人余の尾崎狐憑き

所在地埼玉県比企郡ときがわ町大字番匠
年代慶応年間(十五、六年来)
登場丙の娘ほか二十人余、乙、高山村杉本坊
出典近世史料にみる憑き物「オーサキ狐」の諸相

どんな伝承か

番匠村では丙の娘をはじめ二十人余りの村民が乙家の尾崎狐に取り付かれ、そのたびに祓いの祈禱の費用として三両、五両と散財した。そこで高山村杉本坊に伺ったところ、悪狐を封じる祈禱があると教えられた。村民一同が相談のうえ、費用は助成するからこの祈禱をしてくれるよう乙に申し入れたが承知しないので、費用は全部持つからと頼み込み、村役人も入ってようやく承知させた。ところがここに至ってその約束は破棄されてしまった。取り付かれた者は十五、六年ほど前からで、これを変病といい、いずれも乙家の尾崎狐がちょっとした妬みで取り付いたと口走ったという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

近世史料にみる憑き物「オーサキ狐」の諸相(小池信一)

『近世史料にみる憑き物「オーサキ狐」の諸相』は、小池信一が著した、埼玉県に関わりの深い憑き物オーサキ狐を近世の古文書から論じた研究論文である。寛延四年の秩父郡三山村「おうさき」追放の再請書、天保六年の尾先狐追放教諭の触をめぐる村役人の願書、慶応三年から翌年にかけての比企郡番匠村の沼境と尾崎狐をめぐる出訴一件の三史料を翻刻する。はじめにで民俗調査から知られる俗信を六項目に整理し、各史料に解説を付す。

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