祭日を聞き違えた聾のお諏訪様
どんな伝承か
富士見市鶴間のお諏訪様は、聾のお諏訪様と呼ばれている。昔、川越の藤間のお諏訪様が、祭りは八月二十七日だと知らせたところ、鶴間のお諏訪様は二十八日と聞き取ったので、ここの祭りは二十八日になったという。別の話もある。全国のお諏訪様が集まった折、祭りは七月の二十七・二十八の両日と決まったのに、鶴間のお諏訪様だけが七月を八月と聞き違えたので、ここの祭りだけがひと月遅れになったのだという。
原典より
昔、藤間(川越市)のお諏訪様が、鶴間のお諏訪様に八月二十七日はお祭だといったら、鶴間のお諏訪様は、二十八日と聞いたので、二十八日がお祭である。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。