祭日を変えて起きた山の神の祟り
どんな伝承か
旭町山口にある山の神は、毎年三月十七日が祭りであったが、他の部落が四月三日に氏神の祭りをするので、その四月三日に一緒にすることとした。するとその日に三つの事故が起こった。第一に、甘利山の甘睡荘へ酒を配達に来た韮崎の酒屋の番頭が、帰りに山の神の前で松の根につまずき、自転車から投げ出されて死んだ。第二に村の若い衆が幟をあげようとして、幟の縄に足をはさまれ大怪我をした。第三に、まもなく山の神の南隣りの家から火を出して全焼した。村人は山の神のたたりであろうと恐れおののき、翌年から祭日を再び三月十七日に戻して今日に及んでいる。事故が起こったのは昭和十年頃だという。
原典より
旭町山口にある山の神は毎年三月十七日がお祭りであったが、他の部落が四月三日に氏神の祭りをやるのでその四月三日に一緒にすることとした。—— 韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
韮崎市の民話伝説(韮崎市教育委員会・1967年(昭和42年))
『韮崎市の民話伝説』は、韮崎市教育委員会が昭和四十二年に発行した民話・伝説集である。韮崎・円野・中田・穴山・藤井・神山・穂坂・清哲・旭・大草・竜岡の十一町で民俗資料調査員が集めた百六十八話を収め、武田信玄・勝頼や鎮西八郎為朝、弘法大師の話、山の神のたたりや化かされた話などに話者名や『裏見寒話』などの出典を添える。巻頭に昔話と伝説の解説を置き、本文を木・石・水・塚・坂峠・山・谷沢・屋敷跡城址・祠堂・その他の十部に分ける。