竜宮から来た誓詞の鐘と無間の鐘
どんな伝承か
飯能市高山に伝わる誓詞の鐘は、人々があがめて権現とも呼んだ鐘で、もとは大鐘権現堂という堂に納められ、今は不動尊の前に祀られている。『新記』の伝えでは、昔竜宮から出現した鐘といい、固く錠を下ろして秘蔵し、ふだんは見ることも撞くことも許さなかった。十五年に一度、祈願を重ねたうえでわずかに開帳するだけでも、遠近の村々に大嵐が起こって人々を嘆かせたという。また『川越地方郷土研究』は「無間の鐘」の名で、この鐘を撞けば七代分の福が我が身に集まるが、死後は無間地獄に落ちると伝えている。
原典より
この寺の鐘をつくと、七代の福が一身に集まるが、死後無間地獄に墜ちるという、と。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。