奄美加計呂麻島のコスガナシ迎え
どんな伝承か
奄美の島々ではコウソ祭(ホウス祭)が先祖祭のことで、島津氏の支配のもとで七月盆の魂祭が持ち込まれたのちも、八月のコウソ祭のほうが踊りなどを伴って格別に力を入れて行われた。大島北部の開けた土地では盆に迎える新精霊までアラホウスと呼ぶようになったが、同じ島でも南寄りの村々や加計呂麻島では二つを別のものと考え、一方だけをコスガナシと呼んでいた。金久正の報告によれば、コスガナシは海を渡って来られるので身が冷えているだろうと気づかい、コスガナシにだけは麦わらを門火に焚いて迎え、新しいほうの魂祭には火を焚かないという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。