馬に卵を飲ませる江花の馬飼
どんな伝承か
勢至堂の坂を下り、左側が片崖になって右手が追々開けてくると、江花の古駅が坂路の両側に村をなしている。この辺りは皆熱心な馬飼で、一等賞を得るために馬に泥餡を食わせたり卵を飲ませたりする連中であるから、子供らが出て来て、乗っていた古牝馬のぴょこぴょこ歩くのを見て笑った。ここから長沼を経て奥州街道へ出る路は田の中の平地で、親に別れた若駒どもは多くこちらへ牽かれてゆく。牧ノ内地方は今でも産馬が主な産業で、秋の白河の馬市を賑わしている。江花という地名は意義が不明である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第2巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第2巻』を全331話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。