大田南畝の恋ヶ窪先祖探訪
どんな伝承か
大田南畝は文化六年二月二十四日、還暦の誕生日まであと十日という日に、わざわざ府中の宿舎から恋ヶ窪村を訪れた。先祖の書き残した文書に「大田の名字有る処、武蔵国多西の郡小郷、鯉がくぼより出づるさむらひ也」とあり、それがどの辺かを尋ねていたためである。調布日記には、初めてこの地に来て古を懐い涙も落ちるばかりであったこと、村に大田という名字の農家があるかと問うと無いといい、大田という字はないかと里正に問うても全く無かったこと、帰り道に布目のある瓦と、嘉慶二年の文字のある青い石の欠けたものを得たことが記されている。青石は板碑の断片であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第3巻(柳田国男・定本柳田国男集)
柳田国男編『定本柳田国男集 第3巻』を全158話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。