御諸別命が菜の葉で民を知る
どんな伝承か
播磨風土記には神前郡の大川内と湯川の二か所に異俗人が二十人ばかりいたと記され、地名辞書はこれを今の寺前・長谷二村のあたり、姫路に近づく汽車が渡る市川の上流に比定している。柳田自身もその至って近くの村に生まれたという。和銅・養老の頃まで、この辺りには風俗を異にする人民がいたのである。新撰姓氏録巻五、右京皇別佐伯直の条によれば、この家の祖とする御諸別命は成務天皇の御代、播磨のこの地方で川上から菜の葉が流れ下るのを見て人が住むと知り、探し出してこれを領し部民としたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。