焼飯を与えられ荷を負う大男
どんな伝承か
越後中魚沼郡十日町の竹助という人夫は、堀之内へ越える山中七里の峠で、夏のある日の午後にこの物に行き逢った。白縮の荷物を路ばたに卸し、石に腰かけて弁当を使っていると、髪が長く眼の光る大男が現れた。その髪は半ば白かったという。石の上に置いた焼飯をしきりに指さすので一つ投げてやると、喜んで食べた。そして頼みもしないのにその荷物を背負い、池谷村の見えるあたりまで送って来てくれたという。鈴木牧之の『北越雪譜』にある話である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第4巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第4巻』は、柳田国男の著作を集めた定本の一巻である。岩手県遠野の伝承を佐々木鏡石から聞いて書いた「遠野物語」、山に入った人や神隠しを論じた「山の人生」、河童・ひだる神・一つ目小僧・天狗などを扱い妖怪名彙を付す「妖怪談義」を収める。ほかに「山人考」「史料としての傳説」「比丘尼石の話」「山人外傳資料」「『イタカ』及び『サンカ』」「山民の生活」など、山人・漂泊民・妖怪をめぐる論考を併せる。