山伏峠で山男に追われた牛方
どんな伝承か
太郎という牛方が牛三匹に魚荷をつけ、和賀郡の沢内を通って、岩手郡と和賀郡の境の山伏峠の頂上で火を焚き、魚を炊いていた。大きな山男が現れて魚をよこせと迫り、断れば食うと脅すので、次々に与え、ついに牛三背中分の荷を食い尽くされた。牛を食わせている隙に逃げ、舟はぎに助けを求めて舟をかぶって隠れた。山男に追われた舟はぎは淵際の大松に登り、石を背負わねば登れぬと偽って山男に大石を背負わせ、下の枝を鋸で切っておいたので、山男は淵へ沈んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
農民俚譚(佐々木喜善・佐々木喜善・東北民俗・大正)
『遠野物語』の語り手・佐々木喜善が大正期に郷里岩手で採集した昔話・伝説・世間話の集成。和賀郡・岩手郡・胆沢郡・紫波郡の各地に伝わる口承を網羅する。