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戦死の朝に温泉宿へ群れたカラス

所在地新潟県十日町市松之山湯本(松之山温泉)
年代伝承(口承)
登場(類話)
出典現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話

どんな伝承か

昭和十六年六月、語り手の母が、語り手と孫の進を連れて松の山温泉へ出かけた。それまでお漏らしをしなかった進が、着いた日も翌日も寝小便をし、その朝には旅館の窓辺の一メートルほどのカシの小木にカラスがびっしりとまって騒がしく鳴いた。母はカラス鳴きが悪いと嫌がり、語り手に進を連れて帰らせたが、帰りのバスの上でも何羽ものカラスが輪を描いて飛んだ。家に戻ると工場の人々が泣いており、兄が六月八日にマニラで戦死したと知らされた。夜明けに息を引き取った兄の死を、カラスが朝一番に母のもとへ知らせに来たのだと語り手は感じたという。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))

『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。

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