片目を失った松尾の女神
どんな伝承か
外丸村の辰の口には松尾社がある。伝えでは松尾神は女神で、玉を欺くほど美しく京都の松尾に住んでいた。男神が懸想したので女神は避け隠れたが、追跡はやまない。女神は越後へ逃れ、下船渡から舟で辰の口に着いた。上陸した所を舟繋沢といい、舟の材が埋もれ木となって残る。瘧を病む者がこれを削って服せば癒えるといい、削り取る者が多い。女神は鹿に乗って山中へ逃げ、それが松尾山である。追跡が急なので山を出て舟繋の地で休み、その跡に石祠が残る。ついに豊原峠を越えて松の山郷の東川へ至ると、土地の神が憐れんで女神を犬伏山に隠し、男神を欺いて帰した。女神はそのまま留まり、今の松尾社がそれだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第3巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全65話(山形・福島・新潟)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。